航海記-4

1999/1/4

 

 

1999-1-4

       JST 12.45 オケラネット交信 S 13°34  E 154°17 南風 1ノット

       晴れ 気温36° 気圧 1004HP  艇速4.1ノット  進路172° 

       波高0M 機帆走 水温31°残航 805マイル

       日本人3人の思い・ こたつに入ってみかんを食べたい、風がほしい

       ENG 2000回転大海原を漂っている感じ・暑い気温36℃海水31.7℃

       泳いでもぽかぽか感じ水はきれいです。・ワッチは雲ワッチ雲がすぐ成長し

       風がビュービュー雨がジャーと降るセールNO2〜NO4 1ポン〜2ポン

       早め早めにチェンジしています。・昼間のスコールはシャワーで感激です

       燃料残120P 4〜5日風が吹いてくれるととたすかる。

 

99/01/04 13:17

 

今日も死ぬほど暑い。36度オーバーです、水温は現在31.6℃うおー。さっき海水シャワー浴びました。すっきりした。今は北港、久松パパと交信中。北港の電波が結構よくはいります。みなさん風がないのを心配している様子。、ほんと、はやく吹かないかなあ。あ、パンツとTシャツを洗濯した。うう。暑い。暑い。

 

99/01/04 14:53

 

少しいい風がふいてきた。しかも西風。スターボードタックで走り出しました。そういやさっき海水シャワー浴びたとき、プレーニングボードのところから、ライフラフトを固定しているベルトにつかまって、泳いだ。すごく気持ちよかった。しかも裸。暑い日はやはり泳ぐに限る。山本さんは数日前から、後ろのハッチのところにTシャツをつるして、入ってくる風が自分のほうへと流れるようにしている。おかげで僕のところには全然風がこない。自分さえよければいいんだ、と宣言しているとおり、なんと自己中心な。でも、まあいいや。僕は我慢するとしよう。暑くったってへっちゃらさ。うー暑い。しかしどうしてみんな頭を外側にするのかなあ。絶対お互い内側にしたほうが寝やすいとおもうのだけれど。だからといって一人でやっても山本さんのくさい足があるだけだからなあ。夜中に踏まれそうだし。とにかく不思議。まあ頭をつき合わせて寝るのもなんだけどなあ。お、エンジンを久々にきった。このままセイリングが続くといいなあ。

 

99/01/05 02:31

 

ワッチ終わり。山本さんと色々話をしていた。この時間だととてもすごしやすいのでつい外にいるものです。昼間は暑すぎて会話もしたくない。しかしこの船は無事につくのだろうか。山本さんの話では、ジョンはアルミ板やリベッター、めがねレンチにソケットレンチ、各種ボルト類を出港前に船から降ろしたそうだ。それがないと、エンジンがトラぶったときや、ブームにクラックがはいったときに、修理ができるのか疑問なのだそうだ。実際どうなのかは残念ながらその状況になってみないとわからないのでなんともいえないけれど、大丈夫かなあ。どうなんだろう。ひょっとしたらそれだけの工具でもなんとかなるのかもしれないし、基本的にジョンさんにこの船の修理に関する知識がないのかもしれない。船の安全な回航を第一に考えるならばそういった工具や資材を積んでおけという山本さんの考えはもっともだ。なくても補修がきくのならばそれもありだとね。山本さんが色々といじれるのならば、しかも久松君をサポートしてくれと頼まれて乗船したのなら、そのへんを出港前にきちんと確認して、自分で工具を積むくらいの準備はするべきだったんだろうなあ。っていうかあんまり急な出港でそんな時間なかったのだろうなあ。ほんと、無線のアンテナはつながってないは、イーマルサットミニは積めない事になっているは予備のメインはぎりぎりに届くは、来るはずの水は来ないはほんとすべてが慌ただしかった。もうしわけないが僕はクルーザーに関してはずぶの素人で、なんのアドバイスも手伝いもできないというのが現状だ。無責任でもうしわけないとは思うが、知らないのだからしょうがない。まあ、一昔前はもっと便利なものもなくてもなんとかなっていたんだから、なんとかなるもんなんじゃないかとは思うんですけどねえ。ないならないなりになんとかなるんじゃないかなあ。なんて思う今日この頃です。別に僕はジョンは信頼できると思うんだけどなあ。よく久松君はあいつはリーフのタイミングが遅くて船を危険な状態にさらしているとかいうんだけれど、リーフのタイミングがぎりぎりとかいうのはまあ感じ方の違いもあるとおもうし、ちょっとやそっとの風じゃあなにかあるともおもえないんだけどなあ。回航とはいえ1マイルだって距離をかせぎたいのはレースと同じだとおもうし。早く着くのはそれだけ危険にあう確率がへるわけだし。僕はほんと、クルーザーのことよくしらないんでわからないけれど、もうこの船は十分に安全すぎるくらい縮帆して走っていると思う。まあ、それはそれで全然かまわないのだけれど、別に危険もなさそうなときに、0.1ノットをかせごうという気持ちが少ないのはちょっと残念。回航だからこそ、安全に着くためにかせげるときにはかせぐ必要があるとおもうなあ。なにはともあれ、いい風がふいて無事に着きますように。安全に行こうという気持ちは当然大切だしね。

 

99/01/05 12:16

 

11時はんくらいからいい風が吹いてきた。待望の風だ!しかしやはりポートタックの真クローズ。ふう。現在6〜7ノットで快走中です。楽しみ、楽しみ。

1999-1-5

       JST 12.45 オケラネット交信 S 15°05  E 154°11 南西風 14ノット

       晴れ 気温31° 気圧 1001HP  艇速5ノット  進路170° 

       波高1M 帆走 °残航 710マイル 艇速8ノットの時もあった久々の帆走

       みんな暑くてゴロゴロ 体は弱っていない・月明かりがとっても明るい

       燃料残180P 昨日の報告まちがい。

       北斗の武田さんから入電毎日シーガルネットにでています。NET21.382

JST7.00 北港2丁目のみなさんによろしく。

 

 

99/01/05 18:27

 

山本さんのワッチのときには小雨だったのに、僕のワッチになったとたんザーザーふりだした。なんなんだ。やはり僕は雨男?今久松君のワッチにかわったら、雨はやんでしまた。うーん。ちょっと考えてしまうなあ。というか、いまのワッチ、7〜8ノットで走れてすごく快適だった。なんか、一気にブリスベーンが近づいた感じ。紅茶を飲んで、さて、寝るとしますか。と、なんかたたきだしたぞ。ジョンと久松君がなにか相談している。なんかヘッドセイルをチェンジするみたい。うーん。どうなんだろう。これを打っている横でジョンが準備をしている。僕はこんなことしていていいのかなあ。えーい。寝てしまえ。どうも僕は必要ないみたいだ。邪魔になるのもなんだからここでおとなしくしていよう。しかしだいぶ船に慣れてきたなあ、さすがに前ほど酔わなくなった。あれ、スタンバイかな。ジョンは。どうやらスタンバイのよう。それじゃあ、安心して寝るとしよう。おやすみなさい。

 

99/01/06 10:58

 

あれてる。ばバースでねてるとあせがふきでる。つらい。朝食はハムとたまねぎのマスタードいため。なんでそんなつらいものがでてくるんだ。あせがふきでる。ねよ。

 

1999-1-6

       JST 12.45 オケラネット交信 S 17°38  E 153°53 南東風 26ノット

       晴れ 気温30° 気圧 1002HP  艇速10ノット  進路180° 

       波高5M 帆走 °残航 583マイル 昨日より風・波が出てきた。朝6時

       一旦治まったが、今も強い波を被りながら走っている。SSBで天気予報らしい

       物を受信したしばらくワッチを試みる。

 

99/01/06 18:11

ふう、三十ノット〜四十ノットくらいのいい風が吹いてます。 これぞオーシャンセーリングといったかんじ。船内はなんかバウのビルジくさいです。バースでねてるところからうみがみえたりします。波高も時に10mちかくあるかなあ。チオビタ飲んですこしげんきになった。山本さんが持ってきてくれたものです。ごちそうさま。大変ありがたいです。あーしんどい。寝よ。ばんごはんは缶詰とチョコクッキー。スプレーかぶりまくり。

 

99/01/07 10:16

 

今朝になって風が落ち着いてきました。よしよし。朝ご飯はカップヌードルカレー、胃にもたれるといやなので胃グスリを飲む。現在グレートバリアリーフに向かって進んでます。もう少ししたらタックかな。20°ラインを突破。あとでオープラスがふるまわれると思う。いい天気です。山本さんはいまからお昼寝タイム。12時にはオケラのために起こされるとおもいます。そんときゃ汗だくだろうなあ。風が通りますように。

1999-1-7

       JST 12.45 オケラネット交信 S 20°21  E 152°52 南東風 18ノット

       晴れ 気温36° 気圧 1003HP  艇速6.5ノット  進路167° 

       波高3M 帆走 °残航 420マイル 昨日は、メインにも波がかぶった。

       予定より西に流された後40〜50マイルでグレートバリアリーフに突き当た

       るので東へよって距離がふえる。 北斗の武田さんが交信在り天気予報や、

       太田君の結婚の話などをしていました。

 

 

99/01/07 18:25

 

グレーとバリアリーフを避けるために、タックをした。90°より南下できるといいんだけどなあ。というわけで今晩はスターボードタックな夜です。快適に寝れますように。今久松君と2人でグリコの練りココアを飲んだ。僕がかばんのなかに大事にしまっておいたやつです。今日の晩ご飯は五目ごはんと梅干し、おっと、電池がきれそう。とりかえなくちゃとりかえたよ。ええと。あ、昼の無線でまたバヌアツの武田さん(北斗)がでてきてくれました。なかなか詳細な天気情報をくれて、非常に助かります。「しかし玉子丸は行いがいいのか、天気のよさには感心します。」とのこと。このままいい天気が続きますように。今は大陸のほうにすごくたくさん雲が見えます。明日はどんな風が吹くかなあ。もういくつねるとブリスベン。ブリスベンでは水あびて、おいしいものを食べましょう、はやくこいこいブリスベン♪

 

99/01/08 03:01

 

穏やかな夜。ワッチが始まる15分くらい前に、山本さんにスタンバイを頼むといわれて、でてみると黒い雲が。でも結局ちょっと風があがっただけで済んだ。2人でおいしいものが食べたいなあ。なんて話をしてました。ああ、とんかつにキャベツなんていいなあ。さっきまで久松君を加えて3人でお話してました。ところでオーストラリア人って、やっぱり国がでかいだけあって、なんでもアバウトなんだろうなあ、なんて最近思います。「こまかいこといちいち気にすんなよ。どうせ明日もまた陽はのぼるぜ」ってな感じ。「オーシャンレースでも船の後ろにテンダーひきずりながら走る、それがオーストラリアってなもんだ」そういうのも悪くないよね。っていうかそういうの僕が大好き。現在あまり船足ははやくありません。いい風ふいてほしいな。なんでこうも目的地から風がふくのだろうか。寝よ。

1999-1-8

       JST 12.45 オケラネット交信 S 21°31  E 153°54 東風 12ノット

       晴れ 気温33° 気圧 1004HP  艇速7ノット  ° 

       波高3M 帆走 °残航 350マイル 早ければ日曜日に、遅くとも月曜日に

       到着します。 電波状態が悪く、ポジションを採るのに4989でした。久松父

 

99/01/08 18:36

 

さて、いままでで最も激しい雨に遭遇しました。やっぱり僕のワッチなんだよなあ。風はなかったんだけれども、なかなか強烈な雨でした。今日の朝は、ハムとタマネギの炒めもの、晩ご飯はご飯にマトンの缶詰と、やきとりの缶詰でした。焼き鳥の缶詰は最悪。どこがどう焼き鳥なのかなぞ。だしてくれと頼んだ私がわるうござんした。昼はぐうぐう寝てたけど、寝汗をかいて最悪。午後は船の上でうだあっつとしてました。おやつにチョコと、冷たいレモンティー。でも北港の水がくさくなってきていて悲しかった。なんかいま風がふいてきたそうで。どうも僕はただの雨男?というかやはり嵐を呼ぶ男。ということにしておこう。そういや5時頃雨雲が近づいてきて、久松君がポジションをチェックしたとき、なんと、 23°00′00″S、154°00′00″E というポジションをつうかしたそうです。僕がヘルムとってたんだよなあ。なんかすごいなあ。あと今日も海豚の大群がやってきました。ほんと海の豚というにふさわしい、丸々と太ったやつでした。背面跳びなんかも披露してくれてなかなかよろしかったです。さて、ブリスベーンまであとわずか320マイルほど。11日の朝にはいるようです。 なんでもチャートがないらしく、夜の入港は無理なそうで。なんだかそのへんはよくわかりません。ジョンがみていたパイロットブックにも、久松君が持っているのにもないそうで。でもなんかもともとそのチャートはあったけれどもジョンが降ろせといったとかなんとか・なんのこっちゃ(by山本さん)僕も同感です。というかよく話をきいたらチャートが手に入らなかったらしい。さっきスコールのとき、山本さんが久々に、久々に、いやほんと久々に体と頭を洗ってさっぱりしてました。いや、いいことです。ほんと。僕もさっぱりしたいなあ。合羽の潮抜きだけは人一倍しているんだけれどなあ。それとスコールのときに本船とすれ違ったぞ。結構近かった。きっと向こうじゃこっちのことは気にもとめてないんだろうなあ。山本さんも久松君も割合近くても平気だみたいなことをいうけれど、やはりどきどきするなあ。でも日本沿岸だったらこんなものじゃあすなまいだろうなあ。実際部活でも本船にぶつかりかけた後輩もいたし。やはり向こうからはまったくみえてないと思って行動するべきだなあ。きっと見てないよ。スコールの中だと本当に近くにくるまで視認できないので恐いなあ。そんなこんなの金曜日でした。あ、あとジョンと久松君が昼のワッチの時間を交代しました。そうすると久松君がオケラの時間に船内にいることができて、無線の勉強と、彼女が無線にでたときに応対ができるということらしい。今はbSに2pointです。bQはこの前バウにとりこんでからビルジづけになっていて、誰もさわりたくありません。きっとブリスベーンまでこのまま行くでしょう。さて、寝よ。(いつもこんな終わり方だなあ)胃薬でものもうかな。水も今日また配られました。

 

99/01/09 02:34

 

ワッチ終了。ココアとプッカ(チョコが中に入ったお菓子)を食べる。外はもうだいぶすごしやすいです。山本さんとクルージングボートはいいよねえ、という話をする。最近はそんな話が多い。やっぱりレーサーでロングはつらいよなあ。僕も腰がつよくて、居住性のよい、オーブンと冷凍庫のついた船で、できればエアコンなんかもある船でクルージングしてみたい。じゅるじゅる。南十字星がだいぶ高いところまできた。ずいぶん南へきたもんだ。今のワッチは雨には降られなかった。でもちょっと雲がでてきたのでこれから心配。今日の昼あたり海水風呂でもはいろうかな。どんどん水温がさがっているし。ここのところまた便秘で少し気持ちが悪い。はやく陸につくといいのだけれど。

 

航海記-5 につづく

レース委員会のページに戻る

 

 玉子丸のページ